蕎麦は玄蕎麦の買い付け、製粉まで自分でやっている。
欲しい野菜があれば自家菜園で育てて店で使う。
店でJAZZを流すのは、JAZZが好きだから。
音にもこだわり、好きなものに妥協はない。
料理を酒を包む食器や酒器。店内の椅子やテーブル。
何処を切っても竹内洋介が出る店になった。
そこに佇む物達は決して押し付けではなく激しい主張もないが、
見る者によってはちょっとした感動を覚えるセンスがある。
全員に分からなくとも誰かが気付き、ふっと息を抜ける居心地の良さを感じてくれるはず。
これが竹内の狙いだ。
ここにこそ「無庵」の神髄がある。良いものを伝え、喜んでもらいたい。
この一点を目指して蕎麦を打ち、畑に種をまき、日本酒を買い付け、季節の香りを探し求めた。
良い味を生み出すには良い味を知らなくてはならない。
美しいものを飾るには美しいものを見なくてはならない。
竹内は時に旅に出、時に美術館に足を運び、自らの感性を磨く事を怠らない。
常に進化を求め、自身の成長と共に店を育てたい思いがあるからだ。
「無庵」を巣立った若者が自らの店を持ち、
竹内から感じ取った「生き方」を自身に置き換えて形にしている。
そう、彼らに伝えたのは蕎麦の打ち方や包丁の使い方だけではない。
良い味を生み出すには、良い生き方が必要である事も伝えたのである。
決して押し付けではない。素材の個性を大切にした無庵の料理のように、
職人を育てる学び舎でもある空間がこの店のもう一つの顔なのであった。
( 取材・文 / 柘植利夫 )
「ある一日の物語」
料理長の一日
朝出勤
- 鰹節を削り出す
(そばつゆや、出汁に使う大切なもの) - そばつゆ作り
- 蕎麦打ちの準備。
そば粉に水と小麦粉を加え煉る - 午前中料理の準備、煮物作
お昼の営業を終え、午後に入る
- 料理の準備
- 蕎麦打ちの準備
- 製粉の準備
夜の営業を終え、片づけ、製粉、
翌日の準備
退店
~今日もお疲れ様でした~
元々蕎麦には興味があったのですが、高校を出て料理学校へ行きました。そこで紹介されたのが無庵だったんです。
無庵にお世話になろうと決めたのは一番面白そうだったから。竹内さんの人柄に惹かれたのが一番でしょうか。
料理の基本を修業させてもらいました。野菜を洗って下準備や賄作り、洗い物も勿論。雑用やるのは当たり前です。
さらに畑も勉強しました。無庵は「土」から料理している。地に足が着いた店なんです。
料理の事以外にも目を向けるよう指導されました。民芸館に行ったり、「陰翳礼讃」を読んだり。
大事な事は人間力を磨く事だと思いました。人間力を持つ人が包丁を持つと強いんです。
だからこそ、私生活が大事なんだと気づきました。
ある人に、「あなたはどう生きたいの」と聞かれました。
自我が強い所もあったと思いますが、必然的に「これしかない」と思い独立しました。
本当に身に付いたものしかお店では出せません。
ある意味自分の血肉となったもの、自分自身をお客様に提供しているつもりです。
だから狩猟にも出かけています。流行ではなく、普遍的なものを追求し続けています。
無庵では様々な選択をする事、日々決める事の基準や物差しを頂いたと思っています。生きていると色んな選択肢がある。
面白い、楽しい、美しい。個人店では働く人間が楽しんでないといけないと感じています。
今美しく、100年後も美しい。地に足の着いたお店を目指しています。
無庵卒業後
開業した店舗
- 雙柿庵
(そうしあん)東京都文京区 - 恵土(えど)神奈川県三浦郡葉山町
- 土家(つちや)東京都東村山市
- 櫂(かい)石川県金沢市
- 滿(みつ)長野県松本市
- すぎやま東京都目黒区
募集要項
- 職 種調理スタッフ
- 給 与経験者/月給 28万円以上未経験者・新卒/月給 25万円以上アルバイト/時給1000円以上
- 仕事内容和食の調理、洗い場、仕込み、蕎麦打ち
- 時 間9:00~21:00(実働8時間)
※アルバイトは応相談 - 休 日毎週日曜日※アルバイトは出勤日応相談
- 待 遇社会保険完備、交通費支給、制服貸与、まかない有※食事会、独立希望者支援制度あり
- 勤 務 地東京都立川市曙町1-28-5
- 応募方法下記連絡先までお気軽にお電話ください。
又はメールフォームよりお問い合わせください。 - 連 絡 先〒190-0012 東京都立川市曙町1-28-5 蕎麦会席 無庵
Tel.042-524-0512 担当:竹内
見学や体験入社、インターンシップも随時受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。